米国は2020年末から21年初めにかけて、猛威を振るう新型コロナウイルスと政府による場当たり的な対応、そして政治的分断で大きな打撃を受けた。当時は、米国が経済と政治の両方で末期的な衰退に陥ったと結論づける向きが多かった。だが1年がたち、米国はコロナと政治的な混乱を乗り越えて力強い成長に転じ、世界の舞台で再び力を発揮するようになった。現在、中国でも同様のことが起きている。中国の1-3月期国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%増となり、多くのエコノミストを驚かせた。中国の住宅市場の深刻な落ち込みと保守的な金融政策が足かせになるとの懸念から、GDPの伸びは4%前後と予想されていた。ただ、米国と中国の状況は大きく違う。中国の家計は政府からコロナ給付金を受け取っていないため、足元の消費回復は目覚ましいものの米国ほどの持続力はないとみられる。また、中国では過去2年間の政策ミスが住宅市場とハイテク業界に構造的なダメージを与えて深い爪痕を残しているほか、人口減少も懸念材料だ。
中国経済好調、否定的な見方覆す
1-3月GDPが示す経済大国の底力
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