数カ月前、バイデン政権で気候問題を担当する高官に対し、グリーンエネルギーに補助金を出したところで化石燃料の消費は減らないという、常識では理解しにくいような意見について問い詰めたところ、彼が筆者の言葉をこう締めくくったことに驚いた。政府にとって、唯一の真の解決策は「炭素に価格を付ける」ことだとし、民主党と共和党が炭素関連の輸入税の導入で解決に道を開くかもしれないというのだ。要するに、バイデン政権が打ち出す政策とそれに関するメディアの報道以外ならどこにでも、経済の健全さは存在するということだ。ハーバード大学の経済学者ケネス・ロゴフ氏は、最近配信されたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のポッドキャストで、唯一「機能するまともなもの」と対照を成す現行政策の「狂気」について同様の評価を示した。経済学者で作家のタイラー・コーエン氏は、グリーン投資家のジェレミー・グランサム氏とのポッドキャストで同じ批判を展開。「われわれは環境に優しいエネルギーの価格を大幅に引き下げることになるが、汚いエネルギーも安くなる」「世界はもっと多くのエネルギーを使うだけだ」と語った。
【オピニオン】EV巡るバイデン氏とメディアのペテン
世界のCO2削減効果はわずか0.18%
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