ナトリウムが次のリチウムになるなら、エネルギー移行を巡る投資戦略は見直しが必要かもしれない。今週開幕した上海モーターショーで、最も破壊的影響力があるかもしれないニュースが飛び出したのは、米電気自動車(EV)メーカーのテスラや中国の競合企業からではなく、自動車を一切製造していない企業からだった。中国の寧徳時代新能源科技(コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー、CATL)だ。世界最大の電池メーカーであるCATLは、同社初となるナトリウムイオン電池を中国ブランドの奇瑞(チェリー)が製造するEVに搭載すると発表した。時期は明らかにしていない。電池用化学物質としては安価なナトリウムイオンが、研究室から世界に飛び出そうとしている一つの前触れだ。さらに、中国EV最大手の比亜迪(BYD)が18日、ハッチバック「シーガル」を発表した。同社は認めていないものの、いくつかの報道によると、シーガルにはナトリウムイオン電池を搭載したモデルが登場する可能性がある。シーガルではなく、BYDが今後投入するモデルに搭載される可能性も十分ある。