中国は長い間、西側諸国との地政学的な競争において米国と欧州を分断しようとしてきた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領が先週、欧州は中国に対する米国の姿勢には従わないと宣言したことで、中国の戦略は成果を上げたように見えた。しかし、見かけは当てにならない。実は欧州連合(EU)はこの1年で中国に対する姿勢を決定的に変えた。欧州の人たちは米国人よりも穏やかな言葉を使い、中国との経済関係について「デカップリング(切り離し)」ではなく「デリスキング(リスクの低減)」を望むと話す。ただ実質的には、欧州のデリスキングと米国のデカップリングはほぼ同じように見える。欧州は中国に対して経済的な防衛策を構築しつつあり、その中には米国よりもさらに踏み込んだものもある。
マクロン発言は気にするな 欧米の対中見解は一致
デカップリングへの真の障害は、西側の政府ではなく対中依存を強める企業だ
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