銀行危機? 日本では国内最大のインターネット銀行、楽天銀行が21日に上場を果たし、株価は急伸した。楽天銀は楽天グループの子会社。株価は終値で公開価格を38%上回った。新規株式公開(IPO)による資金調達額は6億2700万ドル(約840億円)相当と、国内IPOの規模としては2018年以来の大きさとなった。IPOが好調だったネット銀行はほかにもある。3月に3億7800万ドル相当を調達した住信SBIネット銀行の株価もこの日、公開価格を38%上回る水準で終えた。調査会社ディールロジックによると、この2件のIPOの規模は年初からの国内IPO全体の約3分の2を占める。ネット銀行が人気を集めているのはその成長スピードに加え、実店舗を展開する同業他社と比べた株主資本利益率(ROE)の高さだ。楽天銀の預金残高は過去4年間で3倍以上に増え、9兆円を超えた。とはいえ、3メガバンクと比べるとはるかに低い水準にとどまる。例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループの預金残高は約220兆円に達する。しかし、急成長するネット銀行は日本の伝統的な銀行の多くより有利な面もある。