株式市場に関する投資指標で欠点がないものなど存在しない。しかし、その多くが「市場はなお割高」とのサインを発しているなら、投資家は留意すべきだ。米株式市場は今年に入って持ち直したが、昨年の急落分をすべて取り戻すには到底至っていない。S&P500種指数は終値で2022年初めにつけた最高値を約14%下回る水準だ。そのため当時に比べれば割高感が和らいだものの、割安というわけではない。ファクトセットによると、向こう1年の利益予想に対するS&P500種の株価収益率(PER)は現在、約18.3倍となっている。これは昨年初めの21.6倍からは下がったものの、19年までの5年間の平均である16.9倍は上回っている。売上高予想に対する株価売上高倍率(PSR)は約2.25倍。やはり昨年初めの2.85倍からは下がったものの、新型コロナウイルス流行前の5年間の平均である1.91倍は上回っている。当時の水準まで低下するには、S&P500種は15%値下がりする必要がある。
米株式市場、割安と呼ぶには程遠い
どう見ても割高感は拭えず
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