ジョー・バイデン米大統領は25日、ビデオ声明で、再選を目指した出馬宣言を行った。その内容は意外ではなかったかもしれないが、異例ではあった。ビデオの最初の方では、バイデン氏の功績や、2期目の大統領任期で目指す明るい希望に満ちた米国の姿に関する映像よりも、ドナルド・トランプ前大統領に関するシーンの方が目立った。その中には、2021年1月6日の米連邦議会襲撃の映像、トランプ氏を示すシンボルや、「MAGA(「米国を再び偉大に」というトランプ氏のスローガン)にあおられた過激な人々」といった表現が含まれていた。民主党と報道機関が知っていながら公には認めたがらない事実が、このビデオを通じて、ややあからさま過ぎる形で暴露されてしまった。その事実とは、バイデン氏がトランプ氏との再対決を切望していることだ。バイデン氏は、再選に向けた戦いで、自らの功績に頼りたいとは思っていない。彼は、前大統領が大統領執務室に復帰すればどんな事態が起きるか分からないという恐怖感を再びあおる形で、大統領選挙を戦いたいと考えている。