携帯電話の黎明(れいめい)期から、地球上のどこでも手頃な料金で使えるサービスを構築することは夢とされてきた。人工衛星の技術によって夢の実現に近づきつつある企業の中には、米国と中国の企業も含まれる。  しかし、問題が一つある。ともに超大国である米国と中国は衛星携帯電話に関する技術の支配を決意しており、互いに相手国の夢をくじく能力を有している。両国はそれぞれ、相手国の衛星携帯サービスの自国内での利用を妨げる規則を導入できる。  最近の米中関係を注視していれば、双方に不利益となるそのような結果が十分に起こり得ることが分かる。