少子化問題が深刻なのは日本も韓国も同じだが、韓国では近年、さらに大きな問題が起きている。これからの韓国の中核を担う若い世代が、韓国社会に絶望して海外に出て行き、さらには毎年2万人以上韓国国籍を放棄してしまうのだ。なぜこのようなことが起こるのか?そこには根深い問題があった。(韓国在住ライター 田中美蘭)
2022年の日本の乳児の出生人口が80万人を下回った。過去最低の数字であり、「少子化対策」は日本社会の最重要課題となっている。しかし韓国の状況はさらに深刻で、昨年の合計特殊出生率は韓国が過去最低の0.78、日本が1.08だった。合計特殊出生率とは1人の女性が一生涯に出産するであろう子どもの数を示したもので、人口を維持できる水準(2.07)を大きく下回っている。
参照記事:BTSジミンの出身校も廃校…韓国「出生率0.78ショック」に揺れる現地をルポ(https://diamond.jp/articles/-/319638)
しかし、韓国の少子化の問題は「子どもが生まれない」ことだけはない。若年層を中心に「社会の中堅」となり得る世代が、韓国籍を放棄して海外に移住していることが、より深刻な事態を招いている。