「年間2万人が韓国籍を放棄」の衝撃

 先日、韓国の主要紙である中央日報の記事を読んで衝撃を受けた。それは「年間2万人が韓国籍を放棄している」というものだ。韓国法務部の発表によれば、2012~22年の11年間で、26万2305人が韓国籍を喪失もしくは離脱している。また記事では、2018年~22年の間に韓国籍を喪失、離脱した者が取得した国籍は、米国(56.2%)、日本(14.8%)、カナダ(13.6%)ということも伝えていた。

 韓国の若者たちが自国の現状を「ヘル(地獄)朝鮮」と嘆き、海外へ出る動きがあることは認知していた。しかし海外に移住するだけではなく、韓国籍そのものを放棄する者がそこまで多いとは初耳だったので驚いた。

 韓国では日本よりも早く、保育園、幼稚園、高等学校など義務教育外での無償化教育を導入したり、「多子女家庭」(子どもが3人以上いる家庭)には支援を強化したりと、一見、少子化対策に積極的に取り組んできたようにもみえる。しかし実際には、限定的な援助をもらっても中長期的に見れば焼け石に水な上に、最近の物価高騰や不動産高騰が子育て世代を直撃している。こうした理由で韓国社会に見切りをつけ、海外へ出て行く若者が増えているのだ。

 さらに、若い韓国人が国籍を捨てる理由として大きいのが「兵役」である。