欧州連合(EU)は4月28日、ウクライナ産の農作物について、さらに1年間関税を免除することで合意した。この暫定的な合意はウクライナの疲弊した農業にとって朗報だ。しかし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が世界の食料供給を混乱させ続けているため、さらなる問題が待ち受けている。EUは昨年、ロシアがウクライナの港湾都市を占領し、黒海の封鎖を開始したことを受け、ウクライナ産農作物に対する関税を撤廃した。この措置はウクライナ産穀物の陸路での輸出を促進することを目的としていたが、東欧数カ国の農家は、ウクライナ産品の流入によって自分たちが生産した作物の価格が押し下げられたことに怒っている。ポーランドとハンガリー、スロバキア、ブルガリアが4月にウクライナ産食料の輸入を一部禁じたほか、ルーマニアもEUの関税撤廃措置への懸念を表明した。28日の合意に基づくと、これらの国々では一部のウクライナ産農作物の通過は認められるが、その販売は禁止される。報道によると、EUはこれらの国々の農家に補償金としておよそ1億1000万ドル(約150億円)を支払う。
【社説】ロシアがもたらした食料危機が深刻化
ウクライナ産穀物の輸出は減少が続く
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