エコノミストや米政策担当者の間では昨年、雇用市場を急激に冷え込ませることなく、求人件数を落ち着かせられるのかとの大論争が巻き起こった。ここにきて求人件数は減少し、雇用市場はなお力強さを維持しているが、議論の決着には程遠いようだ。米労働省が2日発表した3月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は959万件と、2月の997万4000件から減少。また昨年3月に記録した過去最多の1202万7000件を20%下回った。労働省が集計した求人件数のデータと、2000年12月以前についてはサンフランシスコ地区連銀のエコノミスト、レジス・バーニチョン氏が1951年までさかのぼって収集したデータに基づくと、失業率の大幅上昇を招かずに、求人件数が20%以上落ち込んだことはこれまで一度もない。