米大リーグ中の投手がざわついた。3月の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で、大谷翔平選手が大リーグでトレンドの新球種「スイーピング・スライダー(スイーパー)」を投げ、エンゼルスのチームメート、マイク・トラウト選手から三振を奪って日本を優勝に導いた翌朝のことだ。これまでのキャリアで最大のステージに立った大谷は最も恐れられている打者との対決で、水平方向の動きが極端に大きいスライダーを投げた。大谷がスイーパーと呼ばれるこの球種を本格的に使い始めたのはほんの1年前だ。大谷の持ち球は大リーグに移籍した当時の四つから七つに増えた。スイーパーはここ数年で新たに加えた3球種のうちの一つだ。球種が増えたことでボールを上下、左右に変化させることが可能になり、自身の強みを使っていかなるバッターの弱点も突くことができるようになった。