米著名投資家のウォーレン・バフェット氏はつい最近まで、石油株への投資とは決別したかのように見えた。2008年と14年に行った石油大手への巨額投資が裏目に出て、立て続けに大きな損失を出したためだ。バフェット氏は当時、教訓を学んだと述べ、株主の不安払しょくに努めていた。ところが昨年、バフェット氏は新たに石油株に390億ドル(約5兆2600億円)を投じた。今週末に開催されるバフェット氏の投資会社バークシャー・ハザウェイの年次株主総会では、戦略の急転換について質問が相次ぎそうだ。バフェット氏は果たして、今回はこれまでとは違うと説明できるだろうか。バフェット氏は2008年、石油大手コノコフィリップスの株式を大量に取得した。その後、世界経済がリセッション(景気後退)入りし、原油価格は急落。コノコ株価も道連れになった。バークシャーはその年、バフェット氏がトップに就任して以降、最悪の業績に甘んじた。