中国AI開発に突破口か 米半導体規制の回避模索Photo:Future Publishing/gettyimages

 中国のIT(情報技術)企業は、米政府の対中制裁を受け、米国製の最新の半導体に依存せず最先端の人工知能(AI)技術開発を加速している。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が研究論文や従業員を調査したところ、中国企業は使用する半導体の数を削減したり、より性能が低い半導体を使いつつも、最先端のAIパフォーマンスを達成できる技術を研究していることが分かった。また複数の異なる半導体を組み合わせることで、単一のハードウエアに依存しないで済む方法も研究されているという。

 既存の半導体からより多くの実用性を引き出す方法を模索している企業には、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や検索エンジン大手の百度(バイドゥ)、電子商取引最大手アリババグループなどが含まれる。

 研究者やアナリストらは、これら回避策を使ってAI分野をリードする米企業に追いつくにはまだ大きな課題が残っているとする一方、一部の実験では期待できる結果が示されていると指摘。研究がうまく進めば中国企業は対中制裁を回避しつつ、将来的な制裁にもより弾力性を示せることになるという。

 ファーウェイとバイドゥはこの件についてコメントを控えた。アリババからは今のところコメントは得られていない。