1990年代にドナルド・トランプ前米大統領から性的暴行を受けたとして女性が起こした裁判で、陪審は暴行と名誉毀損(きそん)でトランプ氏の責任を認めたが、それは政治的に重要なことだろうか。より良い世界であれば、それは重要な問題だろうが、堕落して二極化した2023年の米国の政治ではそうではないかもしれない。トランプ氏が百貨店のバーグドルフ・グッドマンでE・ジーン・キャロルさんに出会い、試着室で実際に何が起きたのかを知ることは不可能だ。目撃者がいなかったほか、キャロルさんは事件が起きた正確な年を思い出せず、この話を公にしたのは2019年になってからだ。トランプ氏はキャロルさんの言い分を否定し、彼女は自分の「タイプ」ではないと話した。