西側諸国では、長い間待ち望まれていた原子力が復活しつつある。米国と欧州で新たな原子炉が稼働し、増設への機運が高まっている。だが、こうした計画に欠落した大きな要素がある。西側諸国には十分な核燃料がなく、迅速に生産を拡大する能力が不足している。さらに厄介なことに、核燃料を生産する上で極めて重要な材料の最大の供給源は、ロシアおよび同国国営原子力企業ロスアトムだ。同社はロシアによるウクライナ戦争への支援に関与している。原子力は米国で電力の20%近く、欧州では約25%を供給しているが、ここ何十年かはコストや核廃棄物の処理、原子炉建設に必要な専門知識の衰えなどの理由から、西側諸国の大半で化石燃料に代わる環境に優しい代替エネルギー源としての利用は伸び悩んでいた。
原発回帰、ロシアの力を必要とする西側諸国
核燃料生産に不可欠な材料調達で大きく依存
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