中国は今週から秦剛外相を欧州に派遣している。背景には、米中の対立激化から欧州を引き離そうとする中国側の思惑があり、米国のやり方に従えば欧州の利益が損なわれると警告している。秦剛外相にとって初の単独訪問となる欧州の3カ国歴訪は、中国と欧州の関係にとって極めて重要な局面となる。欧州首脳は、米政府が進める中国との対立に加わることに消極的で、その代わりに、外交対話と貿易を重視し、世界の舞台で影響力強める中国政府をけん制してきた。また、ロシアのウクライナ侵攻を終結させる役割を果たすよう説得しようとしている。だが中国のより積極的な外交政策、国内での外国企業への厳しい監視、ロシアへの政治的支援は、欧州でも反発を招いている。