世界最大級の証券決済・保管機関である米証券保管振替機関(DTCC)が洗練されたトレーダーを有利にするような情報を販売しているとのリポートを受けて、運用会社や証券会社の批判を浴びている。証券会社テミス・トレーディングは今週、顧客宛てのリポートで、DTCCがあまり知られていない2つのデータフィードを通じて「極秘のトレーディング(証券売買)情報を漏えいしている」と指摘した。米ティー・ロウ・プライスや英ベイリー・ギフォードといった投資運用会社のトレーダーはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に、DTCCの慣行によって自社のビジネスが損われる可能性があるとして、打ち切る必要があるとの考えを示した。DTCCはリポートに反論している。DTCCのマネジングディレクターで最高クライアント責任者のティム・キーディー氏は「われわれのデータ商品が特定の企業のトレーディング戦略などの秘密情報を明らかにする、または明らかにするために利用され得るという一切の主張を断固として退ける」と述べた。