米国の地方銀行の債券を保有するために投資家は高い利回りを求めており、すでに預金コストの増加で打撃を受けている銀行をさらに圧迫する恐れがある。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の破綻をきっかけに幅広い投資家が大手銀行を除く米銀から手を引いた3月前半以降、地銀債と米国債のスプレッド(利回り差)は多くの場合、約2ポイント以上拡大した。このスプレッド拡大はニューヨーク州バファローを本拠とするM&Tバンクやオハイオ州コロンバスを拠点とするハンティントン・バンクシェアーズなど、資産規模が約1500億ドル(約20兆2000億円)から2200億ドルの銀行の、取引量の多い債券のサンプリングに基づくもの。こうした銀行は、健全性に懸念が生じるほど小規模でありながら、多額の債券を発行できるだけの規模の大きさがある。