米国はエジプトに同国領空のロシア軍機の飛行を禁止するよう要請したが、実現していない。米国とエジプトの当局者が明らかにした。ウクライナの反転攻勢を前に、米政府はロシア軍の後方支援の封じ込めを図っている。ロシアのウクライナ侵攻後、米国とウクライナの働きかけに応じてトルコ、ヨルダン、イラクなどの国は昨年、少なくとも一部のロシア軍機の領空飛行を禁止した。そのためシリアの拠点までの飛行距離が3200キロメートル伸び、5時間余分にかかるようになった。だがエジプトはロシア軍機の領空通過を認めており、ロシア政府にシリアへの遠回りだが確実な飛行ルートを提供している。米当局者によると、ロシアはこのルートでシリアからウクライナに兵器を輸送している。