ジェイ・ガジャベリ氏(61)ほど、新型コロナウイルス禍で起きた米住宅ブームの波にうまく乗った投資家は少ない。その高みからこれほど激しく落ちた投資家はさらに少ない。不動産業界に足を踏み入れる前、インドからの移民であるガジャベリ氏はごく普通のIT業界の労働者で、テキサス州ダラスでまずまずの仕事に就き、週60時間働いていた。ガジャベリ氏が経営する企業は昨年時点で米南部に多数の賃貸マンション物件を保有。総戸数は7000以上、市場価値は5億ドル(約690億円)を超え、中でもヒューストンでは市内有数の家主になっていた。ガジャベリ氏は過去4年間、家主としての仕事を一切せずに富を得る機会を求めていた何十人もの小口投資家から集めた資金を使い、不動産帝国を築いた。投資家向けの会合やユーチューブの動画で威勢よく、やれば何でもできると語りかけ、資産を倍増させられるとの触れ込みで投資を募った。