スウェーデンは、北大西洋条約機構(NATO)加盟交渉でトルコが実現不可能な要求を突き付けているため、NATO拡大が遅れていると非難している。スウェーデンは同じ北欧のフィンランドと同様、先月のNATO加盟を目指していた。両国はロシアのウクライナ侵攻を受けて長年の非同盟政策を破棄し、昨年5月に加盟を申請した。トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟を認める条件として、クルド系反体制派組織と関わりのある約120人の引き渡しを求めている。エルドアン氏は28日に大統領選の決選投票を控えているが、この政策はトルコ国内で厚い支持を得ている。だが、この件に詳しいスウェーデン政府高官は、トルコから引き渡す個人についてのリストを受け取っておらず、これら個人の素性も不明で、エルドアン氏の要求に応じるのは不可能だと話した。