仏高級ブランド、エルメス・インターナショナルが販売している紙製の爪やすりのセットは50ドル(約7000円)、ハンドクリームは105ドルだ。1万ドルの値札が付いたハンドバッグには手が届かないかもしれない消費者向けに、高級ブランド各社は毎年こうしたお手頃価格の商品を数多く提供している。だが高級品業界では現在、この低価格帯商品がビジネスの弱点となりつつある。欧州の高級品株は先週急落し、何十億ユーロもの時価総額が吹き飛んだ。伊プラダの株価が11%近く下落したほか、高級品銘柄で最も安全とされるエルメスや仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンも3%以上下落。高級ブランドに憧れを抱く「アスピレーショナル」な一般消費者向けのスニーカーや財布など、エントリープライスのブランド商品の需要が米国で減退しているとの発言が業界イベントで相次ぐなか、投資家心理は大きく冷え込んだようだ。
欧州高級ブランド、顧客は超富裕層のみならず
米国で一般消費者の少額購入が振るわないことが響いている
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