ブラジルの左派政権はあるスパイ容疑で訴追されたロシア人情報員の身柄を巡り、米国とロシアからの引き渡し要請の板挟みとなっている。この被告が最終的にどうなるかによって、ロシアで拘束されているウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者(31)の解放に向けた交渉が影響を受ける可能性もある。ブラジルと米国の当局によれば、ロシア人のセルゲイ・チェルカソフ被告(37)はビクター・ミュラー・フェレイラと名乗り、ブラジル出身の33歳の学生を装ってロシア政府のため欧米でスパイ活動を続けるため首都ワシントンに滞在していた。同被告は昨年サンパウロで逮捕され、身分証明書を偽造した罪で15年の禁錮刑を言い渡され、ブラジル検察と弁護側の双方が控訴している。