中国企業はリチウムの精製を長らく独占してきた。だが西側諸国が脱中国の動きを強める中、リチウムの世界供給量に占める中国企業のシェアをさらに拡大させるべく、発展途上国全体で鉱山権益の買い占めに奔走している。  これはリスクの高い戦略だ。中国は権益獲得のために何十億ドルもつぎ込んでいるが、政情不安や地元住民の抵抗、資源ナショナリズムの歴史がある国々では、プロジェクトが抗議運動や規制上の遅れ、さらには中止に直面することも珍しくない。  とはいえこの取り組みが成功すれば、中国は2025年までに必要な世界のリチウム鉱山生産能力の3分の1を確保する可能性がある、と業界で推計されている。