11×11~19×19をパパっと暗算できる「おみやげ算」。刊行4ヵ月あまりで41万部発行のベストセラーになった『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立ちます。読者からは「子どもが自分からすすんで取り組んでいる」「本当に暗算できるようになった」「自信がついた」などの絶賛の嵐が届いています。また、「王様のブランチ」「Nスタ」「イット!」など、テレビ、新聞でもぞくぞく紹介! 本書の著者である、志進ゼミナール塾長、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏に、わかりやすく解説してもらいました。

【制限時間10秒】「32セント×38」が何ドル何セントかを暗算できる?Photo: Adobe Stock

おみやげ算のおさらい

さっそくですが、おみやげ算の計算法について説明します。

(例)16×17=

①16×17の右の「17の一の位の7」をおみやげとして、左の16に渡します。すると、16×17が、(16+7)×(17-7) =23×10(=230)になります。

②その230に、「16の一の位の6」と「おみやげの7」をかけた42をたした272が答えです。
まとめると、16×17=(16+7)×(17-7)+6×7=230+42=272です。

この2ステップで、例えば、11×12、18×15、14×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。

また、本書では紹介していませんが、例えば、23×23、74×76などの「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」も、おみやげ算を使ってすべて計算できます。

「おみやげ算で計算できる理由の証明(文字式を使った説明)」については、本連載の第2回『「16×18=288」が爆速で暗算できる驚きの方法』に掲載しています。

また、小学生向けの理由の説明は、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の巻末に、長方形の面積図を使った方法を載せているので、興味のある方はご参照ください。

「32セント×38」が何ドル何セントかを暗算できますか?

まず、次の問題をみてください。

【問題】「32セント×38」が何ドル何セントかを暗算で求めましょう。
[制限時間 10秒]

さっそく解いていきましょう。「32(セント)×38」は、「十の位が同じ2ケタの数どうしのかけ算」なので、おみやげ算で次のように計算できます。

①32×38の右の「38の一の位の8」をおみやげとして、左の32に渡します。すると、32×38が、(32+8)×(38-8)=40×30(=1200)になります。

②その1200に、「32の一の位の2」と「おみやげの8」をかけた16をたした1216が、32×38の計算結果です。
まとめると、32×38=(32+8)×(38-8)+2×8=1200+16=1216です。

そして、「1ドル=100セント」なので、「1216セント=12ドル16セント」です。答えは12ドル16セントということですね。スムーズに求められたでしょうか。

おみやげ算ができるようになれば、今回の問題を10秒以内に暗算することも可能です。さまざまな計算法がありますが、おみやげ算を、そのひとつに加えてみるのはいかがでしょうか。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立つ『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。