インドと中国が互いの記者の国外追放に動いている。相手国のメディアによるアクセスを実質的に排除するもので、両国の亀裂はいっそう深まりそうだ。複数の関係者によると、インド政府は今月、国内に残っていた中国国営メディアの記者2人の査証(ビザ)更新を拒否した。2人はそれぞれ国営新華社通信、中国国営中央テレビ(CCTV)に所属する。一方、インドの報道機関所属の記者で、今年初め時点で中国に残っていたのは4人だが、ある中国政府関係者によると、このうち少なくとも2人は中国への再入国可能なビザを得られていない。別の1人は今月、記者証をはく奪されたが、中国には残っているという。中国とインドの関係は2020年6月の国境紛争で死者が出てから悪化しており、今回の処分の応酬で、対立はさらに激しくなるとみられる。