非常識な「ジャニーズ再発防止策」でも、マスコミは静観
「え!こんなナメきった再発防止対策許されんの?マジで?なんでマスコミは何も言わないの?」
そんな風に驚いた企業の危機管理担当者も多いのではないか。先日、発表されたジャニーズ事務所の「再発防止策」のことだ。
ご存じのように、ジャニーズ事務所は、創業者・ジャニー喜多川氏による未成年者を含む所属タレントたちへの性加害ついて、「事実を認めない」「会見しない」「第三者委員会を設置しない」という“3ない戦略”ともいうべき独特の危機管理スタイルを貫いてきた。
しかし、告発者が次から次へと出てきて、世論が荒れに荒れてしまったことを受けて、次のような「3つの再発防止策」を公表したのだ。
(1)心のケア相談窓口の開設
(2)外部の専門家による再発防止特別チーム
(3)社外取締役の就任による経営改革
これにはさまざま意見があるだろう。「何もしないよりマシだ」と好意的に受け取っている人もいるかもしれないが、冒頭のように「手ぬるい」と感じる人もいるだろう。
筆者も長く企業危機管理に携わってきて正直、ここまで「その場しのぎ」というか、意味のない再発防止策にお目にかかったことはない。そして、いつもならこんなぬるい再発防止策をボロカスに叩き、メディアリンチの刑に処しているマスコミが、人が変わったように静観している様子にも、驚きを通り越して、あきれている。
ただ、その一方で、このような「ジャニーズ危機管理」がこれからのスタンダードになっていくんだろうな、という予感もしているのだ。
一体どういうことか。まずは、マスコミが本来叩くべき、ジャニーズ事務所の非常識な点を解説しよう。