ジャニーズに寄り添ってきたマスコミは「御用メディア」
こういうところが、「報道の自由」が180カ国中68位で、G7の中でダントツに低いという原因なのではないか――。
1999年に週刊文春が報道し、裁判になって事実を認定されたジャニー喜多川氏の性加害問題。20年以上経て、ようやく民放テレビ局が渋々報道を始めた。
と言っても、これは自分たちの意思ではない。
英国のBBCが今年3月に放映したドキュメンタリー番組が海外でも大きな反響を呼び、ネットの批判に押され、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が動画と文書で見解を発表したことを受けて、慌てて体裁を整えただけだ。
世界では、マスメディアは「権力の横暴を防ぐために監視して、時に厳しく批判をするジャーナリズム機関」という位置付けだが、我が国においては、権力に寄り添い擁護をする「御用メディア」だった――というなんとも情けない現実があらためて浮き彫りになったのだ。
先ほど述べた、「報道の自由ランキング」が話題になると、テレビや新聞は「安倍政権の恐怖政治に現場が萎縮している」とかなんとかもっともらしい言い訳をするのがお約束だ。しかし、なんのことはない権力とズブズブすぎて、「関係が気まずくなるような話題はお口にチャック」という感じで、自分たちで「報道の自由」を放棄していただけの話なのだ。
…という話を聞くと、「我々がどれほど苦労をして権力の不正を追及しているのか知らないのか!このド素人が!」という怒りの声がマスコミ関係者から飛んできそうだが、当の権力者側はそう見ていない。
日本の権力者たちにとってマスメディアとは、自分たちのプロパガンダを社会に広めてくれるとともに、批判や追及もある程度、手心を加えてくれる「身内」のような存在なのだ。
それがよくわかる出来事がつい最近あった。米誌「TIME」のタイトル修正問題だ。