最近の米予算政策をうまく表している学界の古い格言がある。それは、闘争が非常に激しくなるのは、リスクが非常に低いためであるというものだ。議会の共和党議員は、ジョー・バイデン大統領が歳出削減に応じなければ、米国債が破滅的なデフォルト(債務不履行)に陥るという脅しを使った。結局のところ、共和党の交渉担当者は、財政赤字と債務の方向性にほんのわずかな変化をもたらすだけの歳出削減と引き換えに、債務上限を引き上げることに同意し、デフォルトの脅威は取り除かれた。ここから二つの重要な教訓が得られる。第一に、政治がより二極化するにつれて、両政党とも(共和党の方がより強いが)目標を達成するために、かつては禁じ手と見なされていた財政的戦術を取ろうとした。だが、戦術がより極端になるにつれ、目標は財政赤字と債務の抑制から逸脱していった。