米製造企業の一部は、軍事衝突の恐れや安全保障上の懸念の高まりを受け、中国依存の見直しを進めている。中国に何十万カ所もある工場に万一アクセスできなくなった場合に備え、企業経営者は代替サプライチェーン(供給網)や、別の場所で生産できる製品などを思案している。2022年のウクライナ侵攻を機に米企業はロシアとの関係を絶ち、多額の減損損失を出す企業もあった。その結果、万一の事態をより身近に捉えるようになったという。米企業をさらに慌てさせたのは、中国当局が最近、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの現地スタッフの事情聴取を行い、米調査会社ミンツ・グループの北京事務所の家宅捜索を行ったことだ。中国政府は国家安全保障上のリスクを理由に、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの製品を主要国内企業が調達することも禁止した。