フィリピンの北端近くにあるこの小さな民間空港で最近実施された訓練では、米軍の装備や部隊用のテントが、米陸軍のヘリコプターとともに駐機場に点在していた。ここは、中国による軍事的挑戦の高まりに対応するために、アジア太平洋地域各地に相次いで設置されている米軍の前哨基地の一つだ。米軍は数十年にわたりアジア駐留の要となっている大規模な軍事基地に依存してきたが、ラル・ローの前哨基地はこうした状況から脱する取り組みの一環でもある。中国のミサイル保有量が増え、関連技術が進化するにつれて、大規模な基地はますます脆弱(ぜいじゃく)になっている。米国は、兵器・部隊・指揮所をラル・ローのような小規模な前哨基地に分散させることで、中国がどれか1カ所の米軍施設をまひさせても決定的な打撃になりにくくしたいと考えている。
中国ミサイル脅威に対応、アジア米軍が新方針
軍事資産を各地に分散させて脆弱性を改善する狙い
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