ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトからロシアの民間軍事会社ワグネルが撤退し始めたことで、同国の最も強力な軍閥リーダー2人の間で高まる確執が明るみに出た。予想されるウクライナの反攻作戦を前にしてウラジーミル・プーチン大統領の軍事機構に亀裂が生じていることが露呈した。ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏とロシア南部チェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフ首長の対立は、ロシア政府にとって大きなトゲであるプリゴジン氏に初めて公の場で向けられた批判の一部を浮き彫りにした。ワグネルの部隊はこの数カ月間でロシアのためにバフムトを徐々に占領し、プリゴジン氏の評判は高まったが、その間も同氏はロシア国防省が適切な弾薬を提供していないと非難し続けた。