米石油大手のエクソンモービルとシェブロンは、アルジェリアでの資源掘削について、同国と進んだ段階の交渉を行っている。アルジェリアのエネルギー相や事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ムハンマド・アルカブ・エネルギー相によると、交渉は年内にまとまる可能性があるという。合意すれば、エクソンモービルとシェブロンは、ロシアのウクライナ侵攻によって欧州への天然ガスの供給国として重要性が増しているアルジェリアでの足掛かりを得ることになる。アルジェリア国営石油会社ソナトラックが、在来型ガスと膨大な埋蔵量を誇るシェールガス資源について両社と交渉を進めているという。欧州諸国はこの1年間でロシアからの天然ガス購入を著しく縮小している。昨年9月にロシアと欧州を結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」が爆破されたことも重なり、欧州から再びロシアから大量の天然ガスを輸入する可能性は極めて低いとみられる。世界有数の天然ガス生産国であるアルジェリアは、欧州向けパイプラインが3本あり、地理的に距離がある米国やカタールなどに対して有利な立場にある。