ジョー・バイデン米大統領は連邦政府債務の上限引き上げによって、任期1期目の足かせとなり2期目のチャンスも台無しにしかねなかった経済的破滅を回避した。共和党の合意を取り付けるという、民主党内で懸念されている戦術を使ってそれを実現した。バイデン氏が共和党との妥協案を作り上げたのはここ数週間で2回目だ。妥協案は一部の民主党議員の怒りを買ったものの、危機打開に寄与した。1回目の妥協案は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて導入された不法移民の即時送還措置「タイトル42」が失効した後、バイデン氏が打ち出したアメとムチの新たな移民政策だ。これが予想されていた移民の急増を抑えたとみられる。5月のこれらの妥協案成立に先立ち昨年には、国内の半導体産業強化を狙った「CHIPSおよび科学法」(通称CHIPSプラス法)や過去約30年で最も有意な銃規制強化法など、超党派による成果を次々と実現させた。
バイデン氏、交渉術で危機回避も支持率横ばい
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