新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
ニコンが3割近くの大増収
カメラも医療も市場活性化
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キヤノン
増収率:10.4%(四半期の売上高9711億円)
・ニコン
増収率:29.1%(四半期の売上収益1720億円)
・HOYA
増収率:9.5%(四半期の売上収益1858億円)
・富士フイルムホールディングス
増収率:15.0%(四半期の売上高7648億円)
カメラ/光学/複合機業界4社はいずれも前年同期比で増収となっていて、中でもニコンは約3割の大増収だった。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収の要因を解説する。