新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
総合電機3社が増収も
シャープは大赤字の苦境
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2022年11月~23年3月期の直近四半期(3社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:35.3%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入3兆636億円)
・パナソニックホールディングス
増収率:9.6%(四半期の売上高2兆1544億円)
・シャープ
増収率:マイナス3.4%(四半期の売上高5810億円)
ソニーグループは35.3%増という大増収で、パナソニックホールディングスは1割ほどの増収だった。
一方、シャープはマイナス3.4%と減収に陥った上に、17年3月期以来6期ぶりの最終赤字に転落した。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、シャープの利益面での厳しい局面がどのような状況か見ていく。