頭がいい。仕事もそつなくこなす。周囲からも「優秀な人」と思われている。それなのに、なぜか突き抜けない人がいる。一方で、それまで目立たなかった人が、ある仕事や経験をきっかけに突然大きな成果を出し始めることもある。この違いは何か。書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』の中からそのヒントを紹介する(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)。
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「優秀」と「天才状態」は違う
そもそも、「天才」とは、生まれつき何でもできる特別な「天賦の才能を持った人」のことではないと僕は考えている。ある分野、ある環境、あるやり方で、自分の力が最大限に発揮されている「天才状態」のことだ。
普段はそれほど目立たない人でも、ある仕事を任せた瞬間に別人のような成果を出すことがある。反対に、優秀だと思われていた人が、仕事や環境が変わった途端に結果を出せなくなることもある。天才とは人そのものではなく「状態」だからだ。
天才状態は「確認」しないと見つからない
問題は、自分がどこで天才状態に入れるのか、最初から本人にもわからないことである。
だから必要なのが「確認作業」だ。文章を書いてみる。人前で話してみる。企画をやってみる。人をまとめてみる。営業をしてみる。何かをつくってみる。自分の中に天才状態が眠っているかどうかを、実際に試して確かめていく。
最初から「これが自分の才能だ」とわかって始められる人ばかりではない。試して、失敗して、また別のことを試す。その繰り返しの中で、あるとき突然、「これならいける」という自分に出会う。つまり、天才状態を見つけるとは、自分の中にある当たりクジを引くまで確認を続けることなのである。
開けなかった箱の中身は、一生わからない
自分の可能性を「箱」だと考えてみるとわかりやすい。開けた箱がハズレだったとしても、「ここではなかった」と確認できる。しかし、開けなかった箱については、中に何が入っていたのか永遠にわからない。「自分には向いていないだろう」「失敗したら恥ずかしい」「今の仕事でも困っていない」。そうやって箱を開けずにいると、その中に人生を変えるほどの天才状態が眠っていたとしても、それに気づくことはできない。
書籍の中には、次のような言葉がある。
ただ、天才モードは見つかるまで決して目を覚まさない。
どこにいるのか、どうすれば出てくるのかは、自分でもわからない。」
だからこそ、確認するしかない。10回試して見つからなければ100回、100回で見つからなければ1000回と、自分の力が最も輝く場所を探していく。天才状態に入れるかどうかは、考えているだけではわからない。実際に箱を開けた人にしか、その答えは見えないのである。
優秀な人ほど「確認作業」をやめやすい
むしろ危ないのは、すでにある程度うまくいっている人だ。今の仕事でも80点を取れる。周囲からも評価されている。だから、わざわざ失敗するかもしれないことを試す必要がなくなる。
しかし、そのまま確認作業をやめれば、「そこそこ優秀な自分」より先へ進めない。別の箱を開ければ、100点、120点の力を出せる自分がいるかもしれないのに、それを知らないまま人生が進んでしまうことになるのだ。
もったいないのは、「自分はこの程度だ」と早々に決めて、確認作業をやめてしまうことだ。天才状態は、見つけるまで眠っている。しかも、どこにいるのかは誰にもわからない。だから、試す。失敗する。また試す。その繰り返しによって、自分の力が最も輝く場所を探していく。
開けなかった箱の中身は、一生わからない。自分の中にいる「天才」を眠ったままにしたくないなら、箱を開け続けるしかないのである。





