米中央情報局(CIA)は、ロシア産天然ガスをバルト海経由で欧州に運ぶパイプライン「ノルドストリーム」の破壊工作に関する詳細情報を事前に把握した上で、昨年夏にウクライナ政府に対して攻撃を行わないよう警告していた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。破壊工作の情報はオランダ軍の情報機関がCIAにもたらし、CIAは昨年6月にウクライナに警告したという。関係者によると、CIAはこの情報を深刻に受け止めつつ、バルト海の深海に爆発物を設置する能力がウクライナ軍にあるのかどうか疑問視していた。ノルドストリームに対する攻撃は9月26日に行われた。オランダ軍の情報機関は、ウクライナの破壊工作チームはバルト海沿岸で船を借り、ダイバーが爆発物を仕掛ける計画だとCIAに伝えていた。欧州情報機関当局者によると、北大西洋条約機構(NATO)がパイプラインが通る海域で6月17日まで実施した大規模な軍事演習後に攻撃が予定されていた。