中国の外資系の投資信託運用担当者が、本社の上司に伝えられないことがある。個別銘柄への投資額やファンドの運用状況、顧客の身元などだ。  また投資調査データを共有したり、ズーム会議に参加したり、親会社が何百万ドルもかけて構築したグローバルな取引プラットフォームを利用したりすることもできない。  つまり外国企業が中国でビジネスをするのは――たとえ政府がもろ手を挙げているように見えたとしても――簡単ではないということだ。中国は2019年に外資系資産運用会社を受け入れ、ブラックロックやニューバーガー・バーマンなどの外国企業が人民元建てファンドを提供できるようルールを変更した。