ミドル世代は、誰もが転職市場でアピールできる「売り」を持っている。経験がなくても、類似経験に基づいたエピソードを具体的に語ることで証明することが大事(写真はイメージです) Photo:PIXTA
「35歳転職限界説」がまかり通っていて非常に厳しかったミドル世代の転職ですが、40代で転職した人の中では、収入がアップした人が多数派になっています。その一方で、ミドル世代には「転職したいけど、自分には声高にアピールできるような売りがない」と諦めている人も多いそうです。約20年間、1万人以上の就職・転職活動を支援してきたキャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「ミドル世代は、誰もが転職市場でアピールできる『売り』を持っている」と言い切ります。中谷さんの著作『30代後半~40代のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム刊)から紹介します。
当社では先月、今回と同じポストで、
能力不足を理由に退職させられた人がいました。どう思いますか?
○面接官が知りたいのはココ
動揺しないで、「自分はそうはならない」根拠を説明してほしい
「頑張ります!」だけの精神論はいらないよ
求められるパフォーマンスを発揮できなければ退職に追い込まれるのは、ごく一般的な話。とはいえ、ここは動揺しないで落ち着いて対処することが肝要です。
「そのような厳しい現実があったとしても、私はそうならないように、ぜひ御社で頑張らせて頂きたい」といった、入社意欲の強さを改めて伝えることが大切です。
もちろんここも「そうならない」という根拠の提示が必要です。ただ「頑張る」を連呼しても見苦しいだけ。
また、「私はその人とは違うから大丈夫」、「私には優れた能力があるから絶対にそうはならない」といった軽くて浅い内容では根拠が乏しいです。
たとえば、
「前職でも、毎年厳しいノルマが課され、1年単位でクリアできなければ職場を追われるシビアな環境にいました。ただ、独自のPDCAサイクルを用いて一定以上の成果を残し続けたため、解雇されることなく10年間勤め上げることができました」
というように、類似経験に基づいたエピソードを具体的に語ることで証明してください。
○たとえばこういう人の場合
43歳男性。大卒後、新卒入社した1社に勤務。
今回は2社目の転職で、同業種・同職種(営業所長職)への応募。
【NG!】「かなり厳しいですね…。御社で頑張りたい気持ちはありますが、同じようにならないとは軽々には断言できません」
動揺を隠しきれないとしても、この後に「そうはならない」フォローを入れましょう。
【OK!】「そうですか、そのようなことが先月あったのですね。詳細がわからないので何とも申し上げにくいですが、私にとっても他人事ではない、と身につまされる思いです。
ただ、私も実績をあげられなければ在籍も難しくなることで有名な企業で、約20年間成果を出してきました。また今回の応募内容を拝見すると、同じ業界の同じ営業で20年間培ってきたキャリアが、そのまま活かせると確信を持っております。
御社の期待に沿えない場合は、退職を余儀なくされても仕方がないと覚悟していますが、退職云々のネガティブな話よりも、今は入社後にどのようにして第1営業所全体の売上を上げるか、そのことしか考えておりません」
他人事ではないと襟を正した後に、それでもやっていける証明と自信を述べるのが最善の方法です。
最後に、ネガティブな話題をプラス方向に切り替えるのも非常に効果的な締め方です。
言うことを全く聞かない若手の部下がいたら、
どうしますか?
○面接官が知りたいのはココ
論理的に自分の考えを話してね
時流に即した育成方法を教えてほしい
このような仮定の質問では、仮説を立ててから論理的に持論を展開する力が試されます。
特にミドルは人材育成を求められることが多いので、仮の話であっても、地に足の着いた現実的な人材育成力を語り、その力を発揮するシーンをイメージさせてください。
「私の若い頃は厳しく育てられたので、この部下にも同じ方法で言うことを聞かせます」と回答すると、「それは今の時代に現実的なやり方なのか?」という懸念が出くることでしょう。
応募者独自の育成方法があってもちろん良いのですが、今の若手社員に合ったものを述べることが大切です。面接官に「この人には当社の大事な若手を任せられない」と思わせないようにしなければなりません。
実際に同じような経験があり、習得したことがあれば、それを語れば納得感が高まります。
なければ、後輩と接した類似体験から今の若手の特性や思考を知っているので、このように対応していきたいといった回答をしておきましょう。
○たとえばこういう人の場合
39歳女性、大卒。現在まで2社に勤務。管理職経験あり。
今回は3社目の転職で、同業種・同職種への応募。
【NG!】「部下を持った経験がないので何とも言えませんが、一生懸命向き合うことで活路を見出したいと思います」
経験がないからといって、抽象論だけで終わるのは良くありません。







