インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【投資のプロが教える】世界の株式に投資するインデックスファンドで、お勧めのもう1本とは?Photo: Adobe Stock

お勧めのもう1本は、
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

 前回は、お勧めの1本として「SBI・全世界株式インデックスファンド(愛称:雪だるま)」をご紹介しましたが、世界の株式に投資するファンドの候補は他にもあります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際投信)です(下図)。

「雪だるま」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、どちらも信託報酬が0.11%と非常に低く、償還日も「無期限」です。

 2つのファンドの違いは、連動するインデックスにあります。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の
構成銘柄は、約3000

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」というインデックスに連動するファンドで、日本を含む先進国と新興国の株式に投資します。

 構成銘柄は約3000なので、「雪だるま」に比べると組入銘柄数は少ないと言えます。組入銘柄上位国・地域のグラフ(下図)を見ると、アメリカが62.6%と高めになっています。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の実際のパフォーマンスは、「雪だるま」とあまり変わりません。

小型株が含まれているほうが成長に期待できそう
超究極の分散投資をするなら、3000銘柄より9000銘柄がいい

 というような好みによって、いずれかを選べばよいでしょう。

(※本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)

朝倉智也(あさくら・ともや)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。