ワグネル蜂起、中国外交も揺さぶるPhoto:Contributor/gettyimages

【北京】民間軍事組織によるロシア政府への束の間の反乱と、その際に浮き彫りになった同政府のぜい弱性は、中国にとって米国主導の世界秩序に挑む上で主要なパートナーであるロシアとの関係に新たなリスクを投げかけている。

 中国は3年に及んだゼロコロナ政策を今年初めに撤廃すると、世界の外交舞台で前面に立ち、世界第2位の経済大国としての地位にふさわしい、より大胆な振る舞いで自国の主張を押し出している。

 今年最初の数カ月で、対立していたイランとサウジアラビアが外交関係を再開するという突然の合意を仲介した。イスラエルとパレスチナ、ウクライナとロシアの和平交渉推進でも協力を申し出た。さらに、米国の覇権に対抗する国際秩序という習近平国家主席の構想を掲げ、これに沿った新たな発展と安全保障の取り組みを推進している。