関西のサントリー、東京のサッポロ
国立大が増えたキリン・アサヒ

 22年のランキングでは、サントリーグループは1位の早稲田大学は不動で、2位に慶應義塾大学が、また3位に京都大学がそれぞれ浮上した。キリンは1位と2位が逆転して早稲田大学、慶應義塾大学の順になり、3位に同人数で大阪大学と関西学院大学が浮上した。

 アサヒビールは1位の慶應義塾大学は不動だが、同人数で1位に立命館大学が浮上、3位には大阪大学が浮上した。サッポロビールは、前年5位だった明治大学が1位に、同人数で5位だった立教大学が2位に浮上してMARCH勢の勢いを感じさせる。3位は同人数で神戸大学、東京理科大学、早稲田大学が並んだ。

 ランキング全体を見渡すと、4社すべてにランクインしているのが早稲田大学と慶應義塾大学の2校だけ。しかも上位におり、早慶の強さが目立つ。次点で関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)が各社にランクインしている。

 サントリーグループの本社・大阪市は創業の地でもあるためか、やはり関西エリアの大学で人気が高い。4位以下を見ても、大阪大学、関関同立のうち関西大学、同志社大学、立命館大学の3校が入っており、ランキング上位は東京、大阪、京都だけで占められている。

 対照的なのがサッポロビールで、東京・恵比寿に本社があるためか、東京の上位・中堅私立が中心だ。3位の東京理科大学とは昨年、連携して物流実務を疑似体験する教育プログラムを開催したことなどから、就職先の一つの選択肢となったとみられる。

 キリンとアサヒビールについては、他社と比べて国立大学がトップ10内に多い。キリンについては、21年にランクインしていたのが東北大学、北海道大学、九州大学、大阪大学の4校で、22年には北海道大学と九州大学が外れたものの、新たに東京大学、京都大学、筑波大学、広島大学の4校が加わり計6校に増えた。

 アサヒビールについては、21年にランクインしていたのは大阪大学、九州大学、東京大学の3校で、22年には九州大学と東京大学が外れたものの、新たに東北大学、京都大学、北海道大学、東京工業大学の4校が加わり計5校に増えている。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

医科・歯科の単科大等を除く全国743大学に2022年春の就職状況を調査。558大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。一橋大、立教大、青山学院大以外は大学院修了者を含む。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。(調査/大学通信)