「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう…」。寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてきてしまい眠れない。グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、2023年6月28日に発売になった『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者はベストセラーになった『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)など、多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。「なぜか眠れた」「ストレスを感じている人にもおすすめ」「眠るのが楽しみになった」などの感想がすでに多数寄せられている。「現代催眠」をベースに、読むだけで眠くなるしかけがちりばめられた本書。今回は発売を記念して、本書から特別に「グルグル思考を止める魔法のフレーズ」を紹介する。
問題の解決策をずっと考えてしまう…
仕事やお金のことばかり考えていると、神経が高ぶって眠れなくなる。そんなときは、いったん無意識に任せてみよう。眠っている間に、無意識は夢の中で次から次へと正確な計算をしてくれる。そんなイメージをすると、考えすぎることから解放されて、気持ちよく眠れるようになる。
……
ある男性は「どうしてお金が貯まらないんだろう」と悩んでいました。残業代をふくめた給料と生活費を細かく計算しているのに、お金がちっとも貯まりません。
学生時代から計算は比較的得意でしたが、貯金通帳を見ると全然貯まっていないのです。
こんなにいつも頭の中で計算しながら生活しているのに、貯金はどんどん減っていく一方。
ふだんの買い物も高いものを買っているわけではなくて、一番リーズナブルなものを買っています。
周りの人よりもお金を使っていないはずなのに、なぜかお金がたまりません。
仕事でも、最初にスケジュールをしっかり立てているはずなのに、気がつくと予定がどんどん後ろ倒しになっています。
上司からも「ちゃんと考えて計画を立てているのか。自分の仕事のスピードを計算してから計画を立てるように」と言われる始末。
「自分は計算がちゃんとできていないのかもしれない」と自信をなくして、不安から不眠気味になっていました。
そんな男性が「夢の中では100倍の処理能力」というフレーズを、カウンセラーから教えてもらいます。
唱えるだけで貯金通帳に変化が出たり、仕事がうまくいくようになったりするのであれば、とフレーズを唱えてみることにしました。
自分で考えるより「夢」に任せたほうが圧倒的に効率がいい
お金の計算をするときやスケジュールを立てるときに、このフレーズを唱えてみます。唱えていると「100倍の処理能力ってどんだけ~」とツッコミたくなります。
フレーズを唱えていると、「うわ、自分は人間関係でも計算しているかも」と損得勘定で人の付き合いを決めている自分に気づき、ちょっとびっくりします。
「お金が貯まらない」と思ったときにもフレーズを唱えてみると、「あれ? もしかして細かく計算すればするほどお金って貯まらなくなる?」という不思議なことに気づきます。
夢の中で計算したほうが本当に効率がいいのかも、と思っていると、寝る時間が早くなっていきます。
なぜなら、昼間に計算するよりも、夢の中で100倍の処理能力で計算したほうが効率的だと思ったからです。
フレーズを唱えながら眠ってみると、子どもの頃に遊んだパラパラ漫画のように、いろいろな記憶がパラパラと次から次へと素早く切り替わる場面が見えます。
「うわ~! 夢の中ではこんなにものすごい速度でいろいろなことを計算しているんだ!」と感動します。
これなら自分で計算するよりも、本当に100倍の処理能力があるかもしれないと思い、昼間に細かい計算をしなくなります。
しばらくフレーズを唱え続けていると、眠るのが楽しみになっていきました。
焦りやストレスで、計算できなくなっていた
久しぶりにネットバンキングで残高を調べてみたら、「うわ! これまでよりも貯金が増えているかも!」とちょっとうれしくなります。
その男性は計算に自信があったのですが、いちいち細かいことを計算していたことがストレスになって、気がつかないうちにムダ遣いをしていたから貯金ができなかったのかも、と思い至ります。
仕事のスケジュールがうまく立てられなかったのも、「早く終わらせなければ」ということばかり考えて、質の高い仕事ができていなかったから、結局やり直しが多くなってしまっていたことに気づきました。
夢の中の100倍の処理能力にすべての計算を任せたら、ストレスが軽減して状況が変わってきたのかもしれない。
もともと計算が得意なのだから、その100倍の処理能力を夢の中で発揮してくれるのだったら、人生がどんどんおもしろい展開になっていきそう。
フレーズを唱えて眠ると、100倍の処理能力によって、これまで考えられなかったような展開が起こっていく。そんな予感がしたのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)