「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう」。寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてきてしまい眠れない。早く眠りたいのに、グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、2023年6月28日発売の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者はベストセラーになった『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)など、多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、編集して紹介する。
「あの人」にイライラしなくなる「頭の中の観察日記」
子どもの頃に、植物や昆虫などの「観察日記」を書いたことはありませんか?
観察日記のように、苦手な人の「客観的な情報」だけを書いていくと、意識と無意識のバランスがうまく取れてよく眠れるようになります。
「〇〇さんの客観的な観察日記」はノートに書いてもいいですが、頭の中でリストアップしていくだけでもいいトレーニングになります。
ただし、「〇〇さんは不機嫌そう」や「私を攻撃している」などは、“客観的”ではなく、“主観的”な情報です。
客観的な情報は「椅子に座った状態で股を90度に広げて、右足のつま先を軸に足を上下に、およそ1秒間に3回の割合で動かしながら、視線を私のほうに5秒向けていた」という感じになります。
この状況を「落ち着きがない様子で貧乏ゆすりをしていた」とするのは主観的です。
また、直接会って観察できない場合は、「私がメールを送ったら、返事は2日後。5行の文章」など、できるかぎり客観的な情報を集めるようにしましょう。
こんなふうに客観的情報を頭の中で思い出しながら書いたり、頭の中でリストアップしたりしていきます。
「あの人は落ち着きがない」「だらしない」という表現は主観的で、意識が働いている証拠です。
でも、その背後には無意識が働いていて、相手の細かい動きなどをちゃんと観察して、しっかり記憶しています。
その無意識が観察していた情報こそが「客観的情報」で、それを書き出したりリストアップしたりすることで意識と無意識のバランスが取れて、いつの間にか心地よい眠りに誘われるようになるのです。