ビジネスの現場では、人前でハキハキと話せる「社交的な人」が有利だと思われがちです。しかし、台湾出身で、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャン氏の世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(神崎朗子訳)によると、「内向的な人」こそ、冷静さ・思慮深さ・協調性といったビジネススキルを兼ね備えているといいます。
内向型の生まれ持った強みを肯定し、勇気づける本書には、「目からウロコの内容に感動した」「自分らしく生きていけばいいと気づけた」と日本中から絶賛の声が集まっています。
今回は、読者から寄せられた仕事や人間関係の質問に対する、チャン氏の回答を公開します。(構成/根本隼)

「相手の話を聞かずに喋り続ける人」を一発で黙らせる“すごいひと言”Photo: Wang Kai-Yun

Q. 一方的に話し続ける人がいます

読者からの質問 外向的な人が主導している会話は、テンポが早すぎて、流れについていくのがしんどいです。また、よく聞いてみると話の論点が途中からずれていて、時間がもったいないなと思ってしまうこともあります。

 一方的な話をストップして、有意義な会話へと誘導するには、どうすればよいでしょうか?

ジル・チャン氏 話の展開が早すぎて論点を見失いそうになったら、「ちょっといいですか?」とひと言入れて話を中断してしまって、全然問題ないと思います。

 そのうえで、それまでの流れを踏まえて、「○○さんが言っているのはこういう意味ですか?」とか、「私の理解はこれで間違っていないですか?」などと尋ねて、話のポイントを確認しましょう。

 ちょっとしたことのように思えるかもしれませんが、このワンクッションが入ることで、いくつものメリットがあります。
(1) 話がダラダラと間延びするのを防げる
(2) 話のペースを落とせる
(3) 論点を本筋に引き戻せる
(4) (複数名での議論なら)ポイントを整理して皆で共有できる

 状況によっては勇気がいるかもしれませんが、自分のためになるだけでなく、議論の質が上がるので、言ってみる価値は大いにあると思います。

「もしよければ、ここでいったん流れを確認させてください」

 ただ、言い方には気をつけましょう。いきなり「ちょっと待ってください」とぶっきらぼうに言って割り込んでしまうと、中断された方が気分を害してしまうかもしれないからです。

 私だったら、「もしよければ、ここでいったん流れを確認させてください」と、話を中断する理由を丁寧に説明します。こうすれば、相手もすんなりと受け入れてくれるはずですよ。