このところ飛行機に乗るほぼ全員がそうであるように、ティナ・ディクソンさん(62)も狭くて座り心地の悪い座席が嫌でたまらない。ディクソンさんの身長は約198センチ。そう思うのももっともだ。
「新手の拷問部屋だ」とジョージア州ブラックシア在住のディクソンさんは話す。「私の大腿(だいたい)骨は折り畳み式じゃない。ほとんどの人は折り畳めない」
足元にスペースがない。クッションが薄い。幅が狭すぎる――。乗客は長年、飛行機の座席について不満をぶちまけてきた。今では政治家がその声に耳を傾けている。先月には航空機の避難に関する基準の改定を求める法案が連邦議会に提出された。成立すれば、連邦当局は座席のサイズと間隔を調査することが義務付けられる。