マイクロソフト、生成AIの「稼ぐ力」証明かPhoto:Loren Elliott/gettyimages

 ロボットに退屈なパワーポイントのスライドを作らせることに、どれほどの価値があるのだろうか。実は大変な価値があるようだ。

 米マイクロソフトは18日、生成人工知能(AI)ツール「コパイロット」について待望の価格を発表した。クラウドベースの業務用ソフトウエア「マイクロソフト365」ユーザーへの追加料金は1人あたり30ドル(約4200円)となる。同時に、検索エンジン「Bing」のチャットボットに法人顧客向けの特別バージョンを導入するほか、米メタ・プラットフォームズとの提携により、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「アジュール」上でソフト開発者がメタのAI言語モデルを利用できるようにすることも明らかにした。

 しかし話題をさらい、18日の取引でマイクロソフト株を4%押し上げたのは、コパイロットの価格設定だった。時価総額1020億ドルで、株価があと12%上昇すれば3兆ドルの大台を突破する同社にとって、4%は決して小さくない上げ幅だ。コパイロットは本質的には既存商品のプレミアム機能であり、市場の反応は過剰に見えるかもしれない。だが3月にコパイロットをお披露目して以来、マイクロソフトが広範なAIへの野心をどのように採算の取れる事業へと変えていくのか、まさにその点が大きな疑問となっていた。